悪魔の微





二度と届かぬはずのものにもう一度手を伸ばせたなら。
それは誰もが持ちえる夢。



もうすぐすべてが終わる。
「君は君の望むことをやればいい。僕はその手伝いをしよう」
あの方はいつも微笑んでいた。穏やかに、ただしその内面は決して晒さずに。
あの方の望みは自分の望み。彼に従っていれば自分の望みは叶えられる。



あの微笑みからは逃げられない。
そう、最初から。すべては羅針盤の示すままに。











「さあ、シオン。迎えに来たよ」
終末を始めよう。





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