僕らだけの世界




 今回のことについて僕は後悔なんかしていない。
 それは強がりでもなんでもなくて、本当に悔いる気持ちが全く無い。
 僕は剣で、柄を握られ刀身を振られなければ役に立てないから、本当は僕の意思なんてあってないようなものなのだけれど、でも、僕は坊ちゃんのために持っている能力を全部使って世界を危機に陥れた。
 かつての仲間が裏切ったのかと僕を責めたけど、剣の僕が彼らの仲間であったことなんて一度も無いんだ。僕はただ一人、坊ちゃんのための僕だった。
「……一緒に来てくれるか、シャル」
 ポツリと呟かれた一言を僕は絶対に忘れない。腕があったら抱きしめただろう。
 えぇ、えぇ勿論です坊ちゃん。いつ何処で何があってもお傍にいます放さないで置いていかないで連れて行って。
 僕は坊ちゃんに懇願した。どうぞ最期の時まで僕を使って欲しいと。
「バカだな……頼んでいるのは僕だぞ」
 そう笑った坊ちゃんの顔も僕は忘れない。
 残念ながら、あるいは幸いに、壊れず海に沈んだ僕は今、隣で眠る坊ちゃんを静かに見ていた。
 今はまだ形があるがそのうち骨が出てきたら海流に流され僕は置いていかれるかもしれない。あるいは大きな魚に持っていかれるかもしれない。
 僕は最期を坊ちゃんの傍で迎えたかった。僕は坊ちゃんの最期を見届けたのだから、後のことは僕の勝手にしていいだろうか。
 ……坊ちゃんの骨が無くなるのが先だろうけれど。
 そう思いながら僕は深い海の底に小さな石棺を作った。



まさかシャルティエ書くとは思わなかった。
机の上に坊ちゃんのフィギュアがあるからですねきっと。