ブッカ




 花屋で適当に作ってもらった花束を右手に掴んで底に立つ。
 彼女は何が好きだったのかを思い出せなくて全部店に任せた。
 記念日なので。そういうと店員は明るい花をそろえてくれた。
 花束を右手に掴んで底に立って、そうだ彼にもと思い出したがまあいいかと思い直した。
 何も彼には似合わないだろうから。喜ぶ顔も思い浮かびはしない。
 右手に持った花束を底において供える。
 頭の上から花が降った。
 見上げた先で彼女とあの人が花束を手に立っていた。
 私は彼らに笑いかけた。



以前チャットの席で書いたものにほんのちょこーっと追加修正。