息を合わせる
どうしてこうなったのかを聞くだけ野暮というものだ。ある意味この空間なら何でもありだ。彼ならばそういうプログラムを仕入れてこの領域を切り取ることも可能なのだから。解析したいなぁなどという昔の血が疼くも身体を貫く信号を送られてはそういう意識も留められない。
「ふぁ、あ!」
ジンはU.M.N.に切り取られたプライベートエリアで、成長したJr.に背後から貫かれていた。
最初はただの自慰話だった。どうやって解消しているかと聞かれてまぁこっそりシャワールームでというのが、気付けば軍時代の話になり、困っていなかったとはいえ同性でのそういう話になり、タチしかやったことがないというJr.にあわせて結局こうなった。説明になっていないとは思うが誰にするでもなし気にしない。
「あんた、すっごくイイ……」
ガイナンに似た赤毛の青年がジンの背後から息を詰めて呟く。ジンも思い出した過去の経験をロードすることでこの行為を楽しんでいた。
「あ、あ、ぁ!」
「なぁ……名前を、呼んでくれないか」
不意にペニスとその根元、睾丸ごと鷲づかみにされてジンがのけぞる。その肩に噛み付いて締め上げを楽しみながらJr.はその奥をそっと突く。
「はぁ、ああ、ぁ、ぅ、ベド……?」
「うん」
「ル、ベド、ルベドっ」
「うん」
いつもの呼称を求められているのではない事はすぐに知れた。かき回される記憶の中で、彼の半身が呼んでいたその名をなんとか引きずり出すと、褒美といわんばかりに思い切り突き上げられ中を満たされる。あわせて竿を扱き上げられれば、堪える間もなく熱が迸った。
「あぁああ!!」
「っ……!」
それに引き摺られるようにJr.も深く突いた奥に熱を放つ。
擬似空間なら避妊具も何も必要は無く、プログラムによっては現実以上に楽しむことが可能だ。
簡易ダイブ用のバイザーを持ち上げてJr.はジンにキスをした。
それにジンが返して、二人の契約はなされたのだ。
- [12/09/14]
- 戻る