Roter Sand
ハトが、飛んでいる。
頭上をグルグル、仰向けになった私のうえをグルグルグルグル。
同時に放った互いの一撃、届いたのは彼の方。
馬鹿ね、本当に馬鹿。
そんな顔をするくらいなら最初からやらなければ良かったのよ。
そういうところが嫌いなのよ。
一羽のハトが、そばに降りた。
私から滲みだした液体で水浴びをしている。
楽しい?
気持ちいい?
そう、なら良かったわ。
そのまま飛んで彼の肩に止まってくれる?
彼の最期を見届けてくれる?
そして彼の血でまた水浴びをするといいわ。
きっと気持ちがいいでしょう。
- [12/10/08]
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