Roter Sand




 ハトが、飛んでいる。
 頭上をグルグル、仰向けになった私のうえをグルグルグルグル。
 同時に放った互いの一撃、届いたのは彼の方。
 馬鹿ね、本当に馬鹿。
 そんな顔をするくらいなら最初からやらなければ良かったのよ。
 そういうところが嫌いなのよ。
 一羽のハトが、そばに降りた。
 私から滲みだした液体で水浴びをしている。
 楽しい?
 気持ちいい?
 そう、なら良かったわ。
 そのまま飛んで彼の肩に止まってくれる?
 彼の最期を見届けてくれる?
 そして彼の血でまた水浴びをするといいわ。
 きっと気持ちがいいでしょう。



ラムから一曲。ひっかかりませんように!