靴下の秘密 -後日談-




「つまりそのなんだ、鎌治は俺が鎌治を捨てたら俺をどうこうしちゃうわけね?」
「そうだよ」
文句あるかとでも言いたげな不遜な表情で取手が答える。
ここは取手の部屋。授業が終わり次第、葉佩は取手を尋ねたのである。
「じゃさ、もしも鎌治が俺を捨てたら、俺も鎌治をどうこうしちゃってもいいわけね?」
「……そんな日は来ないよ」
「だからもしもって」
悪戯っ子の目で葉佩が取手の目を覗き込む。
「別に……いいけど」
葉佩の仮定を認めたくないのだろう、やや不満気に取手が頷く。
葉佩は取手の返事を聞いてニヤッと嬉しそうに笑った。
「了解。忘れるなよ、その言葉」
「君こそ……僕を捨てたら、ただじゃおかないからね…」
「殺すのか?」
さらりと、寧ろ楽しげに葉佩が言う。
「まさか」
葉佩の質問を、取手は鼻先で笑って一蹴した。
「そんな安易な方法は、とらないよ」
言いながら、取手の顔が残酷に染まってゆく。
口の端をつり上げて笑う様子から、「もしも」の場合、葉佩に何をどうするのか盛大に妄想しているのだろう。
「なな、どんなん?」
取手の恐ろしげな顔を見ても、葉佩は怯まない。怯むどころか、目を輝かせて取手の膝に跨がる。
「そうだね……まずは両手足を切り落とすな」
跨がってきた葉佩の腰を掴み、固定しながら取手が答える。
大きな掌は易々と葉佩の腰を包み込み、太腿の付け根から尻にかけてのラインをゆったりとなぞる。
「んで?」
「誰も知らない…僕だけの部屋で、飼ってあげる……真っ暗な、何も無い場所で…」
取手の言葉を聞きながら、葉佩はクスクスと笑って取手に口づけた。
軽く触れた葉佩の唇を、取手はあっという間に舌で捉えて深く貪った。
「……っ、ん………んっ、ん…」
ちゅぱ、と音を立てて離れると、唾液が糸を引いた。
「切り落とした手足はね」
シャツの中に手を差し込みながら、取手は囁く。
一方の葉佩は取手のズボンのチャックに手を掛けた。ジジとチャックを開き、中から取手のペニスを取り出す。
既に芯を持っているをれに指を絡めると、葉佩はゆるゆると手を動かした。
「僕が……食べてあげる…」
「………っは、ん」
取手の爪先が乳首を引っ掻くと、葉佩は声を上げて仰け反った。
葉佩にペニスをしごかれながら、取手は葉佩の胸を弄った。ぷっくりと勃ち上がった乳首を摘むと、痛めつけるようにこねる。
「ッん…い、あ……い、いね……それ」
浮かべられた笑みは婉然たるもので、それを見た取手はペニスを一層固くした。
「でもね…標本にして飾っておきたい気もするんだ……はっちゃんの手…すごく、綺麗だから」
「っふ……くくっ…じゃ、手は標本で、さ……っん、あ…」
「そう、だね……脚は…食べて仕舞おうか……」
うっとりとしながら、取手は葉佩の首筋を吸い上げた。
「あ、も…かま、ちぃ……」
素直に腰を揺らめかせる葉佩に取手は満足気な笑みを見せ、腕の中に閉じ込めるとそのままベッドにふわりと下ろした。
「そして毎晩、こうしてあげる……」
葉佩は笑いながら、取手の首に腕を絡めた。

世界最凶バカップルの誕生である。



長くてごめん。

そんな気持ちで一杯です。
下が長すぎだよ…。どっかで切ろうにも切れ目が無いし…。
改行を多用したせいもあるけど…まぁなんつーかそこまで楽しい内容でもないしなー、と。
反省したので後日談つけてみました。
二人とも自分勝手です。二人とも自己愛の塊です。二人とも相手を信用していません。
それでもいいじゃないか、幸せならさ。
というひどくダメダメな話であります、はい。二人ともこれでも幸せです。…多分。
ヤンデレな鎌治とツンデレな葉佩。うん、バランス取れてる(本当か?)。