片思いラブ -幕間-




(あぁああぁあーもーおー、カッコ悪ィ〜〜)
半泣きになりながら、葉佩は廊下を移動した。
他のバディはどこにいるだろうかと、特別教室を見て回る。
ガラッ
「あ、まりやん」
「し、師匠!?」
図書準備室に何故かいる剣士を見て、葉佩はニタッと笑った。
「な・ん・で、剣道場じゃなくて、ここに?」
「そそそそそれはだなぁ、せ、拙者はここをそのなんだ重要拠点だと……」
「わーってる、わーってる。うん、まぁどーせな……うん、考えてみたら」
俺とお前、同じ穴の狢だし…と葉佩は溜め息まじりに苦笑した。
何も考えず、とりあえず音楽室に走った自分は、諦めたつもりでやっぱり恋する乙女…否、恋する青少年なのだろう。
ばっかだなーと心中思いながら、それでも思わず得た誤解の解消という報酬に、葉佩は嬉しさを隠せない。
苦笑しつつも幸せオーラを発する葉佩に、何を勘違いしたのか真里野がすがりつく。
「なな!同じ穴の狢!?」
「あ、ダイジョーブ、ダイジョーブ。俺、眼鏡っ子萌えじゃねーから」
葉佩の言葉に、真里野が真っ赤になる。
「せせせ拙者は決してそのなんだ七瀬殿をだなぁ!」
「はいはーい、それじゃまりやん、図書室及び図書準備室の警護お願いねん♪」
恋は人を狂わせる、乾いた笑みを浮かべつつ、葉佩はひらりと真里野に背を向けた。
この分だとまぁ、バディは大丈夫そうだなと葉佩は判断する。
…あんなに堂々と準備室に陣取っているのに気付かないとは、レリックドーン、なかなかどうして頭が悪い。

この勝負、楽勝

葉佩は悪魔の笑みを浮かべながら、遺跡に向かって移動を開始した。